| 当クリニックではやっておりません。 |
 |
一時期フランスやソ連(ロシア)で、プールの中での分娩が注目を浴びた事があります。生命が海から発生したのだから、またそれまでは羊水という液体の中に居たのだから、水のなかでのお産は自然で理にかなったものであるという考えから行われたものです。 でもちょっと待ってください。もともと水中で生活する魚類はもちろん、カエルなどの両生類や恐竜などの爬虫類は卵で産まれるんです。 イルカや鯨が水中でお産するシーンを見ますが、彼らは生きるために陸から海へ戻った結果、水中での出産を余儀なくされたのです。ですから胎児は産まれてすぐに海上へ浮き上がり呼吸をしなければ死んでしまいます。 肺呼吸の開始という点は介助者がいれば大丈夫ですが、問題は感染です。分娩前に浣腸する理由でお話しましたが、浣腸が済んでいても、肛門からの排便を防ぎ切れません。 海のような広いところならよいのですが、プールとか、まして浴槽程度の広さでは水が大腸菌だらけになる恐れがあります。産後、なにかと傷の入った産道にこの大腸菌が付いたりすると、いわゆる産褥熱と呼ばれるような感染症を起こすことが考えられます。 産発症の国フランスでは既に禁止になったとか。母と児にとって何が自然で何が安全なのかを考えると、私のクリニックで水中出産を行うことは絶対出来ません。
|
|
| |